全・東京湾 (朝日文庫)



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あらゆる人に読んでもらいたい!

10年間、東京湾のヘドロにはいつくばって生き物達の姿を追い続けた渾身のルポルタージュ。
綺麗な海の綺麗な生き物を写すだけでなく、死に絶えたかのような東京湾に目を背けず、そこに暮らす逞しい生き物達の生き様を追い続ける著者の姿に感動を覚える。

「自然は大切で、一度破壊したら元に戻すのには途方も無い時間と努力が必要」ということは皆が知っていることだ。
しかし人間生活の向上と発展の代償に壊されてしまった自然に対しては「しょうがなかった」と諦めの気持ちを持つ人が殆どだろう。
実際、私も「開発の最たる地域の東京湾なんて、もう魚も生きられない死滅した水溜りでしかないだろう」と思っていた。
しかし視界1m以下、ヘドロに体が沈むような海にも様々な生命が息づいていることをこの水中写真家は教えてくれる。
また、昔からの江戸前と言われる海の幸、漁業、漁民を追いかけ、東京湾が驚くほど豊かな海であることを伝えてくれる。

情熱と執念に溢れたこの作品は、まさに金字塔とも言えよう。
あらゆる人に読んでもらいたい一冊。



朝日新聞社
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