I think about Articuration

可動に関する考察

2004/02/01 更新


1.可動前史

80年代のガンプラ以降、プラモデルの多くの”関節” (模型が人型でなけりゃ関節もないし、別にさほど動く必要もないのだが) 可動が進化し、結果人型の模型・玩具は必然的に多くのポーズをとれるようになりました。私も多感なその時期に模型作りにハマり、今に至る者として(何度か中断期を経ていますが)「人型の可動」ということを当然のことと考えていました。90年前後から今日まで引き続いている邦訳アメコミの流れ、それに94年以降のマクファーレン・トイズスポーンフィギュアの大ヒットによって、日本でもアメコミキャラ等のいわゆる”アクションフィギュア”が数多く出回るようになりました。私が最初に購入したアクションフィギュアはTOYBIZマーブル・スーパーヒーローズシリーズの、フルポーザブル・スパイダーマンでした。まあアレは確かにフル可動の名に恥じない多関節フィギュアではありましたが、他の同時期のフィギュア (X-MENとか。TVアニメ放映に連動しタカラが販売してました) に関しては造形もいまいちですがそれ以前に手や足、首の単純な可動ギミックしか持たされてはおらず (*1) 個人的にはその程度の可動で売り出される玩具 (という認識でした) に非常に、不満を感じていました。故に長らくその領域に手を出すことのなかった(プラモのパーツオンリーで人型を組むという類の作業はしてました。こっちはこっちで強度に問題が残ってたですが..) 私ですが、ある時ふとスパイダーマンの造形がデッドプールに似てることに気づき (ま、誰もがいつか気付くことなんですが) 余分に買ったフルポーザブルスパイディ・ブラックコスチュームを改造して作成したことから私のカスタムフィギュア時代が開幕しました (この辺の件はコラムでも触れています)。
というわけで、一般にコレクション的な位置づけがなされており、基本的には製品に手を加えたりはしないであろう (*2) 市販アクションフィギュアを、ここでは私が心をこめていじり倒します。可動しない箇所には関節を埋め込み、新しい関節まわりには筋肉等の造形を追加し、その上で全て新規に塗装します。そうこうするうちに存在するアクションフィギュアをフル可動にするだけでは飽きたらず、フィギュアの関節部を組み合わせてカスタムメイド素体を自作するまでに至りました。それらの作業を経て、個人的に「それなりに」納得のいった完成品に関しては今後ともこのサイトで紹介していこ、と思っています。


*1:最近のフィギュアに関しては各社の製品ともその忠実な再現度 (マクファーレン物に至っては造形/塗装共に往時のガレージキットを凌ぐほどの凄まじい出来栄え) は言うまでもなく、可動箇所・可動範囲に関しても確実に増える傾向にあります。2000Xとかね。その最先端はTOYBIZスパイダーマン・クラシック→マーヴルレジェンドでしょうか。5インチの鬼としてはサイズが6インチなのが惜しいけど。…これは90年代当初まではアメリカで子どもの玩具という位置づけでしかなかったアクションフィギュアが大人の趣味に移行したことに伴う”進化”であり、たいへん喜ばしいことです。一般向けに比較的大量に販売される”キット”が業務用、個人用のそれを凌ぐ出来栄えを示すとゆう近年の玩具の「超」高性能化と言えばゲーセンを凌ぐ完成度を示す最近のパソコンや家庭用ゲーム機/ソフトもそうですね。 いい時代です。 ただ全体にちょっと値が上がる傾向ってのが個人的には気にかかるんだけどね。いや、ものの割には安いんだろうけどさ。 一体2000円超えちゃうと玩具の範疇を越えちゃうかな、個人的には。
 一方で可動を追求してるのって、ひょっとして私だけ?と思い悩んでいた私としては、なーんだ、結構皆可動が好きなんじゃんと安心する向きもあるわけでして。

*2:コレクション用に必ず二つ購入して、ひとつはブリスターパックから出しもしない (トレード することを考慮した措置)ヒトすらざらにいますよね。飾るより遊ぶひとの私にはなかなか理解できないことですが。いじるひとはー、塗装とかするヒトは結構いそうですね。


2.かどうカスタムに要求すること

私のカスタムフィギュアに要求するのは
・支えなしで自立できるバランスを保つこと。そうじゃないと収納とかディスプレイに困る。
・机から床に落しても破損しない程度の「かなり」高い強度を持つこと。模型というより玩具であるという意識が強いのでこれも絶対的に重要。
・フル可動であること。とりあえず人間のとるポーズの大部分が取れるよう最低14カ所ということで、この水準を通常5インチという大きさ制限の中で維持する。
 以上の点を満たした上で、製作するキャラのイメージを的確に反映して (私のイメージするそれに、ね) なおかつかっこよければ文句ないです。

・サイズは5インチを基本とします。理由は単に初期の購入フィギュアのメインがTOYBIZモノで それが皆5インチだったからです。それが8インチなら果たして今こうやってサイト作ってたかは大いに疑問ですが。部屋が広いわけでもないし、もとより掌に収まる程度のコンパクトな玩具が好きなのです、私は。造形もまー大雑把でもサマになるしね。12インチだとこーはいかん。 
 ただベースとなるフィギュアはキャラクター本来のサイズと関係なく皆5インチ (*1) で作られてたりと他キャラとの身長バランスに関してはどこのメーカーさんも実に大らかなので、自作する際にはその辺も考慮し比較しつつ各キャラの身長を調整します。5インチちょうどが180cm ("ヒーロー身長"と命名) に相当するって感じです。実際は結構いい加減ですけど (フィギュアの身長に関してはコラムでも触れています)。

・強度を保つため各関節部は強化プラスチックや緩くなりづらい各種軟質素材、及びそれらの組み合わせを使用するよう心掛けています。特に股間・肩・膝部ではそれを守るよう努力しています。

・可動箇所について。首・腰・肩と股間 (マルチ可動。(*2)) ・肘・肘上部の回転・膝・足首。 以上14箇所で「通常のフル可動」と規定します。さらにそれ以外の部分に関節が入ったり関節が二重構造になっていたり、加えて装備やアクセサリーが可動する場合 もあります。

・塗装は必ずします。塗料は油性アクリル系 (*3) 。基本的に玩具っぽさを出したいので、ツヤを出すよう 、また個人的な趣味でメタリック系の色を多用しながら塗装します。多分一番好きな色は焼鉄色 (笑) なお塗装前にはかならず全体にヤスリがけを施します。耐水ペーパーで180→240→400→1000→2000番という感じで (*4)


*1:身長160cmのウルヴァリンと2m強のアポカリプスハルクが一緒の大きさだったりしました。最近ではトイビズでも5.5−6インチのラインナップが主流ですが、その範囲でもまーどれも 大きさが一緒、というのは変わらないようで。

*2:この部位は必ず前後左右に”マルチ可動”すること。余所様、特に可動をアピールしたいフィギュアを出す会社等ではマルチ可動1箇所を可動2箇所と数える場合もあるようですが、うちではこれを各1箇所と数えます。両肩+股間が全てマルチ可動だった場合これで8じゃなくて4カ所可動ってことで。

*3:グンゼのMr.Colorを愛用。油性の方が乾きが早く色の感じも好きだから。薄め液代余分にかかりますけどね。金属部品を塗るにはメタルプライマーも必要です。ところで、蛍光クリスタルパープルってどこかに売ってないでしょうか?ここ10年くらい見てません。すっごく好きな色なので、売っていたら10個まとめて買うでしょう。

*4:とにかくフィギュアの造形を終えて最初の180番のヤスリがけが苦行です。5インチそこそこのフィギュアを削るのに3-4時間かかります。8-10インチだと死にます。腕の筋肉がパンパンになるし。2000番までやると、なんか表面がピカピカになり、玩具っぽさが出ます。


3.可動部位ごとの考察

まずは基本となる14カ所の可動部位に関して。

・首 (回転orボールジョイント) :
大部分のアクションフィギュアで可動します。回らなければ顔や目線が動かないので殆どの場合必要です。基本的にただ回ればいいのでそういった回転関節を埋め込んでいましたが、飛行ポーズなどをとるために上下動ギミックが必要なフィギュアの場合は3.5インチGI-JOECorps フィギュアに採用されているボールジョイントタイプを活用することもあります。最近のカスタムはより人間らしい動きを志向する関係でボールジョイント使用のケースが多いです。

・腰(回転):
市販ものでもその大半で回転可動します。一見要らないようで実はとても重要な関節です。人の腰は常に真正面を向いてませんし、歩く際も緩やかに左右に回転しています (男性は肩で、女性は腰で歩く、といいますよね)。人間らしい自然なポージングのためには腰の回転ギミックは絶対外せません。

・肩(マルチ可動 or ボールジョイント):
前後にスイングする可動であれば市販の殆ど全てのフィギュアで実現していますが肩の開閉とスイングを共に備えたマルチ関節となると最近のTOYBIZ系でこそ増えましたが、まだまだ少な目です。とはいえ人間らしい自然な可動の実現という観点では外せない可動箇所です。可動範囲も広く取られている方が望ましいのですが肩プロテクター等が付くとそうもいかない場合もあります。股関節と同じくボールジョイントでも代用効くことは効くのですが、ヘタることを考慮すると肩関節には特にできるだけマルチ関節を入れたいものです。うちのカスタムではCorpsの肩関節が多用されています。

・股間(マルチ可動 or ボールジョイント):
肩同様に前後のスイングなら多くの市販フィギュアで為されていますが、それに加えて股間が開閉するマルチ可動の実現されているものとなると少ないです。実は「自立」という観点では腰の回転と足首のスィング可動 (純粋に接地という意味では足首のボールジョイントの方がより良いと考えられるが..) の方が重要であり、その分オミットされやすい箇所なのでしょう。腰の回転に足の前後スイングが加わると結構足が開閉しているように見えますしね。但し常に見栄えなんぞよりも自然な可動を採る私として はここも必ず!可動させます。金属軸のボールジョイントが採用される場合も偶にありますが、関節が緩く (”バカ”になる/ヘタる) なり自立が困難になりがちなので個人的にはマルチ関節を好みます。
 以前はハイドロマンハロウィン・ジャックの優れた出来合いのものを流用していましたが、50作目以降のカスタムではマンガ・フリークの6本腕を為す各種軟質素材製マルチ関節を大量に!投入しています。関節の単価が非常に安く、ヘタりずらい上に非常にコンパクトなので文句無しです。

・肘(スィング可動):
市販のフィギュアでは膝ほどではないとはいえ比較的多くの製品で採用されている可動箇所ですが、その場合にも前方方向へのスイングが殆どです。腕だけに可動範囲は広いに越したことはありませんが、膝のそれに準ずる強度を保ち、腕の造形を阻害しない程度にコンパクトなパーツとなると探すのも大変です。 ここでもCorpsものがあると大変助かります。小さくて丈夫でいうことなしです。造形的な完成度ではTOYBIZ物の方が優れていますが。

・肘上部(回転):

”フル可動” を唄うごくごく一部のものを除けば市販フィギュアではまず採用されてこない可動部です。私は自作するカスタムフィギュアの全てにこの回転関節も与えます。
極めてコンパクトで (このあたりの関節が大きいと、ひいては腕全体が不格好に長くなってしまう) 頑丈な回転関節を見つけるのは結構苦労です。 なもんでCorpsの肘関節と概ね一体となった優秀なマルチ関節部位が重宝します。

・膝(スィング可動):
TOYBIZやマクファーレン物では概ね可動します。これも無くては困ります。強度を勘案すると肘部よりも太く頑丈な関節が入ることが望まれます。可動範囲はそれほど大きくなくてもそれなりに格好がつきます。勿論広いほうがいいのですが。

・足首(スィング可動):
最近のTOYBIZ・マクファーレン系フィギュアではその多くで可動します。上述した通りフィギュアが支えなしに自立する際に非常に重要な役割を演じる可動箇所です。足が地面 (台) と設置する際に足首が固定されているフィギュアでは微調整が出来ない分設置面が狭く、ひいては直立時の安定感が犠牲になりがちですが、これが可動する場合には設置面を最大限にするよう調整でき、その分安定したポージングが可能です。この微調整ということのみを突き詰めて考えるとボールジョイントが理想なのですが、足首のような小さい部位に使用できるものが滅多にない上ここでもヘタる危険があるので、うちでは前方スィング可動を採用しています。そのためにも頑丈で (バカになりづらく)、可動範囲も広いものの使用が望まれます。最近では小型で丈夫ということでCORPSの膝関節 (強化プラスチック製) を多用します。。

以上が通常部位に関するコメントです。更に製作するキャラや製作コンセプトに応じて可動部を適時増設する場合があり、その傾向は60作目完成以後確実に強くなってきています。
以下ではこれまでに適用された増設関節部位に関してコメントしていきます。


・頭部補足:
また6インチ以上で巨体のフィギュアであれば、首回転+スィングのマルチ可動を仕込むこともあります。また顎に聖闘士星矢素体の指関節等非常にコンパクトなスィング関節を入れ開閉式にするケースもあります。
適用例:ゾッド魔獣形態,ディアブロ(首マルチと顎開閉)
適用例:ギルスカスタム(顎開閉。TOYBIZX-MEN ソウロンの顎関節使用)

・腹部(ボールジョイントorスィング可動):
ごく少数のカスタムにしか適用されてこなかったため、聖闘士星矢クロスシリーズ素体の腹部ボールジョイントの使用でその要求を満たしてきました。実のところボールジョイントの腹部は容易にグラつくので自立の観点ではむしろ邪魔ということで、適用の際にはもともとの前後左右の可動を前後スィングに制限して強度とヘタりを抑えるよう配慮しています。この前後スィングとその下に設置される腰回転関節の組み合わせでかなり複雑な動きが再現できることとなります。
 最近はCORPSの腹部パーツと前方スィング可動するパーツを組み合わせた自作のスィング可動ギミックを製作して使用し、これが主流になりつつあります。
適用例:シルバーサーファー(ボールジョイント)
適用例:ゴ・バダー・バ ,真仮面ライダー (自作スィング可動初使用) 究極可動スパイダーマン(二重関節)

肩(二重関節):
フィギュアの腕に人間とおなじだけの可動を与えようとする場合、まず肩が二重関節を有していなければならないのだなということは海洋堂TOYTRIBEヴァッシュ・ザ・スタンピードを見て確信したところです。5インチの肩にあのようなギミックを組み込むのは現実的ではありませんが、聖闘士星矢クロスシリーズ素体人形は肩基部をボールジョイント化するという実に優れた構造をしておりこれを組み込むことで肩の二重構造が実現します。
更に”究極可動”実現にあたって肩基部の前後スィング関節を導入しました。
適用例:シルバーサーファー(聖闘士星矢素体)
適用例:究極可動スパイダーマン(自作肩基部関節)

肘(二重関節):
人間のごとき可動をということになると、肘は二重のスィング関節で再現する方がいいわけですが、コンパクトなスィング関節を二つ直列にしたとしても肘部の肥大は避けられません。二重関節を選ぶ場合でもそれ専用に形成された関節部を流用するしかないようです。以上の理由から膝はともかく肘の二重関節採用は非常に稀です。例ではバンダイ製スパイラルゾーン素体の肘部二重関節を流用しています。5インチにはちょっとでかいですがTOYBIZスパイダーマン・クラシック路線のものもいけそうです。
適用例:究極可動スパイダーマン(スパイラルゾーン素体)

・手首(回転):
最近のトイビズ・マクファーレン系フィギュアの1/2程度で採用されている回転関節です。個人的には表現力という観点でこの回転関節は肘上部の回転関節ほどには重視していませんでしたが、やはりあればあっただけ手の表現力が増してきます。最近では下記の手首スィングと連動しても造形美を極力損なわないようにするため、二つの関節の距離を離し、この回転部を下腕部上方(肘のすぐ下あたり)に設定することもあります。
適用例:Dr.ドゥーム

・手首(スィング可動):
こちらもあれば手の表現力を飛躍的に増すことができます。市販品ではTOYBIZマーヴルスーパーヒーローズ、フルポーザブル・スパイダーマン等に使用されています。また剣を持つ右手だけにこの可動を与える場合もあります。その際には肘のスィング方向に並行してスィング関節が入れられます。
適用例:スポーン1, ブレイド(右手のみ)

・手首(回転+スィング可動):
スィング可動まで導入して手の可動に凝るケースではその可動は上記の回転可動とセットになる場合が殆どです。通常は回転関節の下にスィング可動が入る順番の方が表現力が増します。最近ではCORPSの肩マルチ関節を入れてこの可動を実現させるケースが多いです。非常に便利なのですが、手首部にブレスレット等の装飾が入る場合には少し困ることもあります。
適用例:ガッツver.2,仮面ライダークウガカスタム(回転の下にスィング)
適用例:パニッシャー(右腕部、スィングの下に回転関節)
適用例:真仮面ライダー,ギルスカスタム(CORPSマルチ)

・指(スィング可動):
ここまでいくと別パーツの関節を組みこむのはほぼ無理で、完成された指の動く手を埋め込むといった改造となります。ここでもスパイラルゾーン素体のもの等が活用されます。最近ではバンダイ装着変身素体等がPVC製で指の二箇所可動を実現させる快挙を為し得ています。
適用例:ベン・ライリー,デッドプール(スパイラルゾーン素体)
適用例:強化外骨格 零,シャドームーン(装着変身素体)

・膝上部(回転):
12インチや8インチ級ならともかく、5インチ市販品でのこの部位の可動というと非常に少ないです。60作目以降可動箇所を増大する傾向のある中、ここが最も可動を増設させやすく(比較的大き目の部位なので)、しかも容易にフィギュアの表現力を高める部位といえます。関節は軟質素材等で丈夫かつヘタりづらいものを選んで入れます。TOYBIZ5インチフィギュアの肩回転関節を切断して組みこむケースが多いです。関節は腿上方に組み込むケースが多いですが、美観を考慮すると膝のすぐ上か膝と一体形成のパーツを組み込む方がより望ましいといえます。
適用例:ゴーストライダー,アズラエル(回転関節独立)
適用例:,ゴ・ガドル・バ(一体形成:装着変身素体の肘部マルチ)

・膝(二重関節):
市販品ではフィギュアよりもバンダイの玩具等で使用されています。肘よりも大きな関節部位なので二重関節も比較的増設しやすく、膝立ちが可能となり入れた結果の表現力の増大もより目覚ましいものがあります。とはいえやはり通常のスィング関節を二つ直列に付けたものでは不格好になりがちで、こちらも肘同様予め二重関節として形成された関節を使用することが望ましいと言えます。聖闘士星矢クロスシリーズ素体、スパゾン素体のものなどが使いやすいです。
適用例:究極可動スパイダーマン(聖闘士星矢素体) 
適用例:スポーン1(CORPS膝関節を二重に接続したもの。それでも一体形成モノに比して大きく、不恰好..)

・臑部(回転):
市販ものではほぼ皆無。膝上部の回転で足先の向きに関しては概ね補いはつくのですが、更に膝立ちや複雑なポーズの調整をしたい時にはこの可動も生きてきます。滅多に入れませんが。
適用例:究極可動スパイダーマン,ゴ・バダー・バ

・爪先(スィング可動):
市販品ではほぼ皆無。足首の更に先、爪先を可動させることで接地性能は更に向上し、蹴りの表現力が高まります。実際の人間がそうであるように、爪先が強く、地を噛むのですね。
適用例:ブレイド,(製品を流用)
適用例:究極可動スパイダーマン(聖闘士星矢素体指部関節を使用)
適用例:ゴ・バダー・バ(関節部をより根元に移動させた完全形)

…可動部位ごとの考察はこれで終了です。
あくまでも「人間らしい可動を突き詰める」のであれば全ての関節部をボールジョイント、しかも二重関節にするということになりますがフィギュアの強度と美観、その兼ね合いのバランスを考えると、今の私はここで述べてきたような可動部を随時組み込むという選択をとることになりますね。
私の可動カスタムフィギュアの理想は「かっこよく、そして少しでも人間らしい動きを」って感じですか。


4.かどうの目指すところ

かどうかどうかの中で紹介されているフィギュアは可動という観点で概ね以下の3種に分類されます。

・通常フル可動:
基本の14箇所可動を概ね(プラスマイナス2程度で) 遵守したカスタム。とはいえこの可動でもメーカーさんなら大声でフル可動!!といいたくなるであろう程度ではあるが。でも最初から可動を組み込んで型を形成するのとそうやってできているパーツの組み合わせから成るフィギュアに後から好きに関節を組み込むのは根本的に次元が違いますしね。
…とはいえ最近では14箇所で満足することは絶無に等しいわけでして。

・超可動:
明確な規定はないが膝上部の回転関節と手首可動 (回転かスィング、或いはその両方) 必須で造形と強度、可動の鼎立を目指したもの。
例:スポーン13ダークネスガッツver.2

・超絶可動:
腹部スィング・膝上の回転・膝の二重関節・手首可動必須、その他計で25箇所以上(ARMSホワイトラビットは翼とか人間体以外の部位で可動しているためこれにカウントしない)の可動ギミックを持つ「かどうかどうか」におけるかどうの極限。超絶可動カスタムが定着した2002年以降現在に至るまで、かどうが目指している水準は、このレベルの可動とそれに負けない造形ってとこですか。実際に作ってみると、可動個所の多いカスタムの方が圧倒的に!写真映えするものなのです。キメポーズとかでなくて、普通の立ち居姿とかが、ね。腹部スィングが大きいのだと思いますが。
 ちなみに上記してきた可動ギミックをすべてぶちこむと36箇所 (指は各二箇所ずつ動くと計算して) 「究極可動」とでも呼ぶべき代物が成立することになるが、関節が増えることでフィギュアの自立時のテンションが下がるというような欠点も生じるため、「造形物がその性格上どうしてもそれだけの可動を必要としないのである限り」無闇に作るべきではないという立場に現在では至っています。
例:シルバーサーファー,
仮面ライダークウガカスタム(上述の可動に加え肩アーマー可動)

・究極可動:
36箇所、5インチサイズで考えられる全ての関節を組みこんだかどうカスタムの極限。マルチ関節一箇所あたりの可動をきちんと2箇所とカウントすれば、総計40箇所!の可動を誇る。
例:究極可動スパイダーマン

現在かどうかどうかにおける最高水準のカスタムは
可動:究極可動スパイダーマン
造形:ガッツ(狂戦士),アナザーアギト,O号ガイバー,ダークネスプレデター
素体に可動を仕込んだケース:ディアブロ
です。


5.可動のために用いられてきたフィギュア

この項では私が自作カスタムフィギュアの可動箇所を増やすため”だけ”に好んで購入し、速攻バラして使用してきた市販アクションフィギュアをいくつか挙げていきます。合掌。

・3 (3.5?) インチのGI-JOEフィギュア:
GI-JOEと名の付くアクションフィギュアはいろいろあるのですが、 その昔アニメが日本で放映されてタカラが販売してたちっこいわりによく動く、アレです。スケールが5インチものと合わないのが難点ですが小さくて強度も高く優秀な肩と肘関節 (肘上部の回転関節と融合した見事な関節) まで採用されており、非常に使えます。ただ腰と股関節がゴムを用いて緩みを回避した変形のゴムジョイント+ボールジョイント (ミクロマン関節とでもいいましょか。フルポーザブル・スパイダーマンもこれ) で、なんとなく信頼性に欠ける上に安定感に乏しい、塗装等の細工がし難いためこれまでもこの股関節ギミックを使う機会は少なく、今後は皆無です。それでも肩と肘、首のボールジョイントはいずれも重宝します。
個人的購入の目安:500円以下

・Corps:
上記GI-JOEのバッタ物です。造形はその分ダサ目ですが、材質は一緒だしどうせバラすのでその辺はどうでもいいです。とにかく安く、セール等で大量に安価で売られているものを見つけては購入しています。単価がJOEより安いのでコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。5インチものもあります。
個人的購入の目安:400円以下

・スパイダーマンシリーズ,ハイドロマン:
腰の回転と股間のマルチ可動、膝関節まで脚部可動がきっちり採用されているので中量級ー重量級カスタムフィギュアの下半身の基礎として使用されます。またあのものすごい造形の胴体・腹部の筋肉描写をそのまま用いて過去にはこいつでヴェノムを作りました (実際、TOY-BIZからハイドロマンを流用したハイドロヴェノムも出た)。 ”水”の描写をする巨大なプラスチック製のおまけや水鉄砲ははっきりいって私には無用なのですが。
個人的購入の目安:800円以下

・X-MEN2099シリーズ,ハロウィン・ジャック:
下半身が腰回転・股間のマルチ可動・膝・足首と可動!し、しかもどれも細身でなおかつ各種軟質素材製で柔軟かつ頑丈にできているので非常に使い勝手が良い下半身の可動素体です。細身ということで初期カスタムのヒーロー物の下半身に多く活用されました。手首や肘・肩等の回転関節ギミックも重宝します。あまりに大量に買ったのでおまけのマスク、手袋が余りまくっています。最早安価で一度に大量にみかけることはありません。残念。
個人的購入の目安:1000円以下

・ゴーストライダーシリーズ:
腰の回転ギミックがないのが残念ですが比較的太目のマルチ可動する股関節・膝関節が得られます。何故股関節が可動するのか?考えると皆バイクに乗るからなのですねぇ。太くて頑丈なので重量級キャラの股間節を担う機会が多いです。可動のためにも 買いますが、このシリーズは造形そのものもアクセサリも出来が良く (蓄光素材製で夜になると光る) かなりプレイアビリティの高いシリーズだと思います。
個人的購入の目安:800円以下

・マンガ・フリーク:
スポーンシリーズはその材質が硬すぎてカスタムに向かないものが殆どですが、マクファーレントイズもある時期積極的に各種軟質素材を入れた時期と言うのがあってこれはその産物です。鬼子っつーか。6本の腕が基部から切り外され、計3組の柔軟でマルチ可動する股関節が手に入ります。上記のハロウィン・ジャックが市場から消えうせハイドロマンも品薄になった頃、50体目完成前後からこのフィギュアを盛んに股関節に使用するようになりました。ちなみに3組のうち2組が普通サイズで残りひとつが小型サイズ。小さい方は女性フィギュアの股関節や普通に肩関節・手首関節への流用もききます。その他にもブレード基部のスィング可動や回転可動のギミックもバラして細々と使用できるためうちでは大変重宝します。個人としては日本で一番大量のマンガ・フリークを買ってる自信があります。
個人的購入の目安:500円以下

・聖闘士星矢クロスシリーズ素体:
言わずとしれたバンダイ製可動素体玩具の雄。腹部のボールジョイントや指の可動まで組み込まれてたのは当時としては本当にすごい。腕部の材質が特殊なため加工が難しいという弱点もあるにはありますが、5インチでのその高い可動性・プレイアビリティはある意味うちのスピリットの根底を為すものとなったのかもしれません。リアルタイムでも10個弱は買っていましたが、それが尽きても玩具ショー関係で人形だけバラとかでちびちび買ってます。500円くらいが購入のメドです。最近アジア産のパチモンを見かけましたが、造形は多少甘くなってるものの可動はほぼ再現されており、またオリジナルでは金属製故に加工が困難だったクロスパーツが全てプラスチックなのでこの方が私にはむしろ嬉しかったりします。絶対数が多くないためカスタムへの使用頻度は高いわけではありませんでしたが超絶可動級のカスタム制作時など、ここぞというときには強い味方です。一端バラせば殆ど全ての関節がカスタムに流用できますし、繊細な造形の顔 (パチだとこの辺はダメ) も重宝します。
個人的購入の目安:素体のみで500円以下

・装着変身素体:
上記の聖闘士星矢素体、現在では仮面ライダークウガ・アギト装着変身シリーズの素体として進化?しています。腰が回転しなくなったことだけは解せんが (アギトでは腰回転可動復活)。とにかく優れた可動と強度の指!が最大の魅力です。また可動する肩アーマーってのもなかなか他の方法で5インチに組みこむことが困難だということもあり、市場から概ね消えうせた今となっては結構貴重です。指可動は勿論脛回転までサポートするロード3怪人セットなどは投売りの際にかなり買いこみましたね。
現在は仮面ライダー龍騎R&Mシリーズが出まわっています。膝二重関節がオミットされたものの膝上回転が入り造形的にももう手を出す気にならないほどの水準です。
個人的購入の目安:素体のみで800円、肩アーマーありなら1000円、3怪人は1000円以下

・ギンガマン獣装光アーマーシリーズ:

一連の平成ウルトラマンを作成するためだけに放映当時購入されてたフィギュアです。ピンクは造形が違うので買いませんが、他ならどれでもOK。ウルトラマンである以上基調色に用いられ易いレッドが望まれますがチームリーダーなので売れちゃい易く、探すのに苦労しました。ウルトラマンのカスタムフィギュアは基本的にこのフィギュアにソフトビニールの各ウルトラマンを「着せて」可動箇所を増設して完成します。計11体も買ったので、アクセサリの腕輪とか装備とかが目茶苦茶余っています。
個人的購入の目安:800円以下

・TOYBIZスパイダーマンクラシックス:
TOYBIZ21世紀ラインナップ。6インチなのが個人的には最も食指が動かない点なのですが腹部可動・肘二重関節・指可動・股関節マルチ・膝上回転・脛回転・爪先可動などいたれりつくせりでしかも可動/造形のわりに単価も安い、フィギュアのサイズを厳密に気にしないひとには最高級の素体といえます。映画スパイダーマンシリーズでは更に問題であった肘上部回転関節までフォローしています。今後もこの水準の可動と造形でマーヴルヒーローが出てくる(→TOYVIZ6インチマーヴルレジェンド)ようで、コレクターでなく素体しか買わないカスタマイザーの身としては実に、悩ましい限りなのです。
個人的購入の目安:800円以下

概ね以上です。股関節をもたらしてくれるフィギュアの方が肩関節を供給するそれよりも重要視されがちです。肩のマルチ関節は市販フィギュアでも採用率が股関節より高いから/肩関節はCorps等から比較的容易に得られるので、ですね。最近では一体あたりの可動部位がサイト開設当時のほぼ倍!にまで増える傾向にあるのですが、そうなると中でも回転関節が慢性的に不足しがちで、これを補いうる優れた市販フィギュアないかなーと目を光らせています。


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