バンプレスト ガンダムビネットコレクション019
文 真・プリオン牛骨
ヴィールス、もといヴィネット大流行
今年のワンフェスも終わりましたが、相変わらず下降線でもうどうにもならないといったところのようですね。各ディーラー様が精魂込めて作ったガレージキットに見向きもせずリセヴィネなんぞを買う為に並んでいる俗物(しかもほとんどが転売目的)は数多く、海洋堂の言う「最近のGK業界はつまらない」とかの戯言はかなりの部分この会社に責任がある気がします。
それにしても最近はヴィネット風フィギュアというジャンルが元気ですね。単にフィギュアだけで出すのではなく、周りの空間と物語も演出する手法が鯉ヘルペスや鳥インフルエンザなみに大流行です。
このこと自体は間違いなく「進化」ではありますが、どう考えても送り手側の自己満足のオ●ニー作品にしか見えない物も多く、いいからフィギュア単体の質を上げてくれよと思うことしきりですね。「出来の良い台」を付けるより「出来の良いフィギュア」を用意する方が先だという事がわかっていないメーカー様がなんと多いこと(以降、検閲により削除)。
それはともかく最近バンダイもこの分野に熱心です。ウルトラマンをサラリーマンにしたりなどの意味不明なマネも目立ちますが、なかなか面白い物も数多く豊富な版権に物を言わせていろいろと出してくれていますので目が離せません。
そんなバンダイが(正確にはこれはバンプレストの製品ですが)出している品の中に「ガンダムビネットコレクション」という物があります(「VIGNETTE」ですから「ビネット」ではトホホな気がしますが)。
これはガンダマーの原点中の原点の第1作目の名場面をヴィネット化した物でして、ゲームセンターのプライズ景品です。この名場面というのが異常なほどのマニアックな物ばかりで所謂「ファースト世代直撃」のツボを突いていて最高ですニャ〜。ですが、「W」「SEED」世代には意味不明な代物としか目に映らないんでしょうね・・・・・。
今回紹介いたしますのはこのシリーズのno.019「半舷休息のはずなのに・・・」です。これはおそらく第4期シリーズとして発売された物の中では一番人気なのではないでしょうか。それはこれがセイラさんの「あのシーン」を再現しているからなのです。
アルテイシアと知って何故銃を向けるか!?

セイラさんは初代ガンダム女性キャラの中でも一番人気の方です。キラキラした金髪のボブカットが麗しい美人でして一新堂の一部風俗系の構成員が「パツキンや!パツキンに限る!!」と叫んでいるのも理解できますね。
普通なら主人公のアムロと同年代のフラウ・ボウがヒロイン的立場になるのがスジなのでしょうが、あまり可愛くもない為却下され、ミライさんも見るからに「凡」な顔なのでたいした人気は得られませんでした。ましてやマチルダさんなど、私にはこの歳になってもどこがいいのやら理解不能でして、ハロカプ第1弾のシークレットのマチルダさんウェディングドレスバージョンが誰にもありがたがられなかっ(以降、検閲により削除)
とにかくファン人気はセイラさんに集中して「僕たちのすきなセイラさん」だったわけです。
フルネームは「セイラ・マス」なのですが、実はこれは偽名でして本当は「アルテイシア・ソム・ダイクン」といいます。なんとその正体は敵のジオン公国開国の祖のジオン・ズム・ダイクンの娘でしてシャアの正体「キャスバル・レム・ダイクン」の妹というまるで「ドラグナー」のマイヨとリンダみたいな設定でした(どう考えてもドラグナーの方が真似っこでしょうが)。
キャスバルは父を殺したシグマシグマ・・・・ではなくザビ家への復讐の為に名前を変えて軍に潜り込み地道に活動していたのですが、ご都合主義・・・・いえ、不思議なことにこの兄姉は偶然あちこちで再会するんですよ。セイラさんは復讐をやめさせる為というよりは単にキャスバル兄さんに会いたいだけみたいでどう見てもブラコンなのでした。
そして「兄さんに会いたい→とりあえず何か情報を→敵の兵士と話をすれば何か情報が聞けるかもしれない→モビルスーツでGO!」というなんだかよくわからない方程式で勝手にガンダムに乗って飛び出してしまう話がありまして(後に「セイラさんのような聡明な人が・・・」とか呆れられてました)、このドサクサでいつの間にかあのガンダマーにとって「なかったことにしたい物NO.1」のGファイターのパイロットになってしまいます。
おかげで以降戦闘中はあのセンスの悪いイエローのパイロットスーツを着ることになった上にヘルメットで金髪も見えなくなりバイザーで顔すらもろくに見えなくなりました。
オペレーターから転職させた馬鹿者はどこのどいつなのでしょう。現場でもさぞ不評だったことでしょうね。
美少女戦士セイラムーン
モデラー的な話に入りますと、セイラさんのフィギュアは昔からいろいろと出ていましたが、何といっても始まりはガンプラの異端児とも言える「キャラコレ」でしょう。
このキットにより魔道に堕ちた者は少なくない筈です。
これは1/20と、現在でしたらマスターグレードのオマケでアサフレックス製フィギュアとして入っていてもおかしくないようなサイズでしたが、なんせ当時は1/35のタミヤの兵隊さんを無理矢理改造して女性に性転換させていたような時代です。モノグラムの水上型セスナ180が単にビキニを着た女性フィギュアが付いていただけで人気キットに成り得たような青い時代の話と思ってください。キャラコレの1/20スケールは必要充分な大きさだったのでした。
ましてや人気アニメのキャラが劇中そのままの姿で立体化!。それでいてお値段はなんと100円と来ていますから嬉しすぎます。
本当は今の目で見ますとかなりアレな出来ですが、それまでのアニメキャラのプラモといったら顔もプロポーションも各メーカー様の「俺解釈」(「おれおれ詐欺」とは無関係です)が炸裂していて話にならないような物ばかりでしたから革命的な物とさえ言えたのでした。
話が少し逸れますが、今にして思えばガンプラの偉大だった所は「アニメファンを馬鹿にしきっていなかった」ことだと思います。メカはもちろんフィギュアまでこの考えを反映させていてくれたのでキャラコレのような物が生まれたわけですね。
本当に当時のバンダイはよく買い手の心を掴んでいました。今では完全にアニメファンを馬鹿にしきっているような気がしてなりませんが。
ちなみにキャラコレシリーズは長らく再版対象から外れていまして、なにげに貴重品でした。
1980年代のこの手のキットは1990年代初頭からのフィギュアブームにより発生した質的向上により急速にその評価が暴落しましたので下手に再版が出せなくなったのかもしれません。キャラコレの1/20というサイズはこんな小スケールのキットは出なくなったので別の意味で価値があったような気もしますが、出すタイミングを見極めるのが難しかったのかも・・・。
結局バンダイは1990年代末期に何をとち狂ったのかクリア版で全種類セットという極限までありがたくない仕様で再版してくれましたが、とても「セーラームーンショック以降」の時代に対応できない出来でしたのでこうしたのかもしれません。
それにしても最近のバンダイは完全にモデラーを馬鹿にしきってますね。まさかパーフェクトガンダムなんかがマスターグレードで出るとは思っていませんでした・・・・・。
そういえばバンダイポピー事業部の3Dポートレートとか称するペーパーフィギュアでもセイラさんは出ていましたね。
ただ、ペーパークラフトというのは皆様ご想像の通りアレなブツでして、このセイラさんも2,800円(税抜)もしまして下手なマスターグレードより高いのですが、モデラーとしてはなんともコメントしようのない代物です。それにしても最近のバンダイは(以下略)。
何を考えていたのでしょう・・・・
セイラさんのフィギュアが欲しければ模型イベントに行ってガレキを買い漁ることですね。ただ、物によっては20年来の想いが煮凝りになったような怨念すら感じられる物もありますので要注意ですが・・・。
山卓大先生がセイラさんを裸に?!
ところでセイラさんには何故かエロな話がつきまといます。それも現在のように同人の世界でではなく、妙に公な世界での話なのでした。
たとえばあの「なかったこと」になっている富野監督著の小説版ではどこをどうしたのかアムロとベッドインして当時の青少年をビックリさせてくれましたし、この小説の最後は何故かセイラさんが裸になって海に泳ぎに出るというよくわからない終わり方でした。
もっとも、この小説自体、富野監督がまだ文を書き慣れてなかったにも関わらず、例によって「俺世界」(「おれおれ詐欺」とは無関係です)を炸裂させていて当時のアニメ小僧なんぞには何が何だかわからなかった代物でしたが・・・・・。
そして雑誌関係では今は亡き「月刊OUT」を忘れてはいけません。「セイラ昇天」なんてエロ小説(これはあちらの意味の「昇天」ではなく、ネロとパトラッシュのように天に召される方というオチでして個人的には「セイラ笑点」と思っています)が載っていたりもしましたが、何といっても有名なのは昭和55年(1980年)3月号の「悩ましのアルテイシア」でしょう。
これは「パロディピンナップ」と銘打たれていますが、要はセイラさんのヌードイラストが1ページ丸ごと使って載っていたのです!。
OUTはアニメキャラを勝手に裸にしてしまう傾向が顕著に見られる嬉しい雑誌でして、確実にこちら目当ての読者を意識していたフシが見られます。そういえばもう80年代も終わりの頃の話になりますが、「ボーグマン」のアニスがサイボーグ手術を受けた話を書いているページにその手術シーンはアニメでは服を着ていたのにマッパの絵を入れたりしていましたなあ・・・・・。
ちなみにあまり知られていませんが、「悩ましのアルテイシア」の前のページは「ガンダム終了仲直り慰安旅行混浴の図」で全キャラが仲良く入浴しているイラストとなっていまして、次のページも「着せかえフラウちゃん」になっているというこの号が古本界で高値が付いている理由がなんとなくわかる仕様なのでした。
当時は「ぼくらのセイラさんになんてことをするんだ」と非難轟々だったのですが、同じくらいに皆様、喜んでいたようです。富野監督ときたらどうしてもっとエロく描かないと別方向に怒っていまして、言い悪いはともかくとしていろんな意味で話題になったのでした。
そういえばキャラコレも格好の「魔改造」(薩摩模型同人会推奨)の素材でしたね。そのためかセイラさんはアムロやシャアよりも売れていたような・・・・。(もちろんマチルダさんとカイは問題外でした。どうしてこんな物まで出していたのでしょう・・・・・)。
それまでプラモなんかに縁もゆかりもなかった二●書房がガンプラブームに便乗して出した「機動戦士ガンダム プラモ改造法」なんて本ではいきなりフラウが裸にひん剥かれた写真が載っていましたし、
80年代ガンプラ系モデラーのバイブル「HOW TO BUILD GUNDAM」なんぞを紐解いて見ますとあの山田卓司大先生がセイラさんのキャラコレの作例を担当されていまして
まあ、元々この番組は無駄にお風呂シーンが挿入される傾向がありましてフラウとかミライさんが被害にあっていたんですけどね。当時からわかりやすい人気取り作戦(命名:「V作戦」)という物は多く見られていたのでした。「SEED」みたいに何をとち狂ったのか野郎のシャワーシーンなど出すよりはマシですが。
そしてセイラさんの入浴シーンはどうしたと思っていましたら第37話でようやく登場したのです!。
これはセイラさんがノンビリ風呂に浸っていたら警報が鳴り響いてそそくさとバスタオルを巻き付けて出ていくというシチュエーションでした。
ですが、ほんの一瞬のシーンでしかなく、こんな物ではエロガキが満足できるわけもなくガッカリしていましたら、なんと!劇場版「機動戦士ガンダムV」に於いてはこのシーンが作画監督チーフ安彦氏入魂の作画で描き直されたのです!!。
元々TV版のガンダムの後半は安彦氏が倒れてしまい作画がガタガタだったという事情がありまして、この映画は作画の70パーセント以上が描き直しになっていたのですが、このシーンの気合いの入り用は並大抵ではありませんでした。
「東●ミュウミ●ウ」の第24話もあまりに作画がアレだった為、DVD版が出た時には大幅に描き直されていましたが、そんな物とは衝撃の度合いが違います。
「半舷休息のはずなのに・・・」とブツブツ文句を言いながらバスタオルで体を拭いているセイラさんの姿はエロそのものでして、TV版では絵が荒くてろくに見えなかった裸体がなまめかしく描かれていました。
なにせ当時、このシーンを撮影しようと映画館の中でカメラのフラッシュを焚く馬鹿者が数多くおりまして、この恥ずかしい光景を見た業界の人間がこの方面はイケる!と判断して「くりいむレモン」等のエロアニメが生まれたとの都市伝説もある位なのです。
フィルムブックもこのシーンの入っている巻は古書の世界で高値だと聞きます。80年代前半にはビデオなど全然普及しておらず、もう一度あのシーンを見たいと思っても叶わなかったので普通のコミックスとかと比べるとかなり割高だったこんな物が売れていたのも時代を感じますね・・・・。
今ならPCにDVDソフトを入れて画面をキャプチャーするとかで簡単に必要なシーンをいつでも見られるようにできるので、逆にアニメ雑誌とかがこの手の番組内のシーンの絵を売り物にするのが苦しくなっている位です。
そういえば問題のセイラさんのエロシーンのポスターが何かの雑誌にオマケで付いていた記憶があって、長年探していましたが、この話の打ち合わせをしていたらこれを真・ダイオキシンHIDEが持っていることが判明いたしました。各所で言われていますが、どうしてあの男はなんでも持っているのでしょうか?。「宝は馬鹿に与えられる」とかいうロシアの格言が説得力を帯びてきますね。
話を聞きますとこれはアニメディアの付録だったようです。学研もエロですニャ〜。
早速引き渡しを要求いたしますと、このポスターの裏、いえ、この馬鹿的には表はダグラムのポスターになっているので絶対に駄目だと断固拒否されてしまいました。
だからダグラマー的にはこっちが表だっつーの!
現在、(プ)カラーコピーでいいから寄こせ、(ダ)1/72大河原ボックスアート版ブロックヘッドを用意するなら考えないでもない、(プ)ダグラムキットは全部持ってるんだろう。そんな何千円もする物がおいそれと用意できるか!、(ダ)押入から発掘できなくて困ってるからもう1個必要なんだよ、(プ)馬鹿か?!お前は!、と泥沼係争の様相を呈しております・・・・。
バーチャルネットアイドルちゆ7才
話が異常に長くなりましたが、つまり「MOBILE SUIT GUNDAM VIGNETTE COLLECTION」の019「半舷休息のはずなのに・・・」はセイラさんのこのシーン、それも映画版の方を立体化した品だったというわけです。
そう、バスタオルで前を隠してこそいますが・・・・・言うまでもなく裸なのです!。
ゲームセンターで見本としてディスプレイされている物を様々な角度から覗き込んでいる恥晒しどもを見ればおわかりとは思いますが、後からのアングルですと見事におしりが見えています。
更にバスタオルで隠れている前の箇所も強引にタオルをめくると、「規制」はあるもののここもちゃんと作られているのでした。
なんということでしょう。天下のバンダイも(正確にはバンプレストの品ですが)遂に彩色済みエロフィギュアを皆様の元にお届けするようになったのでした。元々、映像方面ではかなりエロ方面で遠慮のない物ばかり出していた会社ではありましたが、とうとう3Dの世界にまで「性戦」の場を広げてきたのです。
箱に記載されている「対象年齢7才以上」の文字が偽善にしか見えませんね。
それにそのフィギュアとしての邪悪さはともかく、「ファーストガンダム」というネタの古さを鑑みますと「7才」に20位足してもまだ足りない気がします。いえ、20年前に7才だったガキがガンダムを見ていたとも考えにくいので30位足さないといけない筈です。
ただ・・・・さすがはバンダイ、必ず我々をガッカリさせてくれる要素を忘れません(これを「われわれ詐欺」といいます)。
まず、この大きさの品で安彦氏の美麗なタッチを再現するなど到底無理というのはわかりますが、全然美人に見えないのです。たいしてサイズが変わらないガシャポンではかなり上々な出来の物がいくらでもあるのにどうしたことなんでしょう?。
特にこのシーンのセイラさんは頭にもタオルを巻いており(余談ですが、アニメでこれをほどいて髪を振るシーンの美しさは絶品でした)大きな魅力の金髪が隠れていて、見えている部分だけで魅せてくれないといけないのに全然ですね。
また、この装備のセイラさんに於いては非常に重要な要素であるボディ部ですが、これもいけません。
よくあるガシャポンのように成型色で肌色を表現でもしてくれれば良かったのですが、ここを下手に塗装で再現した為・・・・そう、ホントに「下手に」でして、なんだか黄色っぽいのです。いつからセイラさんは黄色人種になったのでしょう?。「♪黄色い日本ぶっ潰せ死ね死ね死ね」としねしね団の歌でも歌いたい気分です。
おまけに裸体というシンプルな姿だからこそパーティングラインが気になります。成型色を活かした形にしておけばツヤがあって多少は誤魔化せたのでしょうが、下手に艶消しの塗装を施してしまった為にこれが目立つんですよ・・・。
結論を言わせてもらいますとこの「半舷休息のはずなのに・・・」は「遠きにありて想う物」という部類の品ですね。決して30センチ以内の距離では見ないことをお奨めします。ヤフオクで高額落札してしまった方々はご愁傷様です。
ですが、この手のプライズという物は基本的にゲームセンターで頑張るしか入手手段がないというのが厄介といいますか不健全ですね。ゲームセンター側も邪悪な配置シフトを敷いて簡単には取れないようにしてありますから、その実際の価値はこちらの運と腕やお店の方針によって大きく左右されるわけです。
この手のプライズを販売している店があるのが許せんとかメーカー側は言っておりますが、一大市場が形成されているからにはそれなりの需要と供給が生じているわけで、むしろ確実に欲しがる人が存在している物をわざわざ手に入りにくい形で出す側にも問題があるのではないでしょうか。
それで出来が悪かったら目も当てられません。とりあえずこのセイラさんに関しては1プレイ200円の設定にしても結構ですから今度は1/8いえ、せめて1/12位の大きさで作り直してください。